整形して「美人に」なりたい? インスタント・ビューティー その1
美はヒトを幸せにするか?
整形ってした事ある人、いますか?
「ハーイ、しましたよ!」・・・って明るく即答してくれるのは、中村うさぎさんとか、イバナ・トランプさんとか(ところでなぜ彼女は未だにトランプ姓を名乗っているのかご存知の方います?)、そんなところだろうな。かのマイケル・ジャクソン氏でさえ、あれだけ違う顔に変わっても公式には整形を認めていませんね。
じゃあ、知人に「整形したかもしれない人」がいる人、いますか?
これなら沢山出てきそうだ。クラスメイトのあの子は夏休みが過ぎたら二重になってた、とか、同僚のあの子は長期休暇から復帰したら胸の形とボリュームが変わってた、とか、そんな話はよく聞く。私のクラスメイトや知人でも整形疑惑をもたれている人は一人や二人じゃないし。ただ、本人に確認の取れるものでもないので、果たして整形だったのか、或いは、ある朝起きたら突然きれいな二重になってただけなのか、真実は闇の中なのだが。
でも、整形ってどうしてそんなに隠さなければイケナイ事なの?
まさか「神の御意志に背く行為だから」なんて中世クリスチャン的な回答をする人はいないと思う。じゃあ・・お金を使って自分を変えるのはいけない行為と教えられたから?コンプレックス(=弱味)を知られたくないから?コンプレックスをお金で解消するのはかっこ悪いから?ナチュラルでない美は本物とは認められないから? どれも理由としてありそうだが。
私はお金出して整形するのと必死でダイエットして違う体型になるのとの間にそんなに違いはないと思う。刺青などを入れるのと整形は近いと思っているし、お金出してブランドの服や宝石でガッチリ固めるのも整形も大した違いはないと、正直思っている。自分のカラダをどうにかする事、自分の見た目をコントロールするのは、全て自分自身や他人への自己演出。「見た目」、それはけっこうシンプルでありながら、力強いインパクトを生む部分だ。「人間見た目じゃないのよ~」、なんて言葉は偽善以外のナニモノでもないのは、皆ご承知の通りだと思う。
自分の顔や体のどこかに、もし不満があり、例えばそれがキッカケで引っ込み思案になってたり、自己嫌悪の塊になってたり、性格が悪くなってたり、出世出来ないと僻んでいたり、不眠症になっていたり、鬱になっていたりした場合は、さっさと整形手術でもなんでもしてハッピーになれば良いと思う。Go for it, girl. 人生はそんなウダウダしてる時間を持つには短すぎる。
もし、あなたにとってそれ程、胸や目の大きさが幸せを左右するのなら、手術という決断を取った自身を否定しないのが大事だと思う。「でも皆の噂が気になるから踏み切れない」「でも廻りに知られるのが嫌」という人!そもそもヒトの目が気になるから、コンプレックスが育った訳で・・。そしたら、自分のコンプレックスが人目に晒され続ける方を選ぶのか、整形疑惑の目で見られる数ヶ月(職場を変えるなりしたらそれもナシですが)を選ぶのか、自分に問うてみた方が良い。「自分が整形したという事実でずっと自己嫌悪しそう」という方は、基本的に自己を変える事に罪悪感があるので、整形等のチャレンジには不向きかもしれません。医師の友人が言っていたけれど、美容整形は沢山のリスクも踏まえて選択する行為なので、「後悔をしそうな人にはお勧めできない選択」であることは確かです。
そんな私は、自慢じゃないが、一度も整形を経験したり考慮したりした事はない。理由はカンタンで、整形したい箇所がなかったからだ(といばってみる)。でも、これは私が美形なのではない。「殆どの世の中に存在する顔は、目・鼻・口などのバランスがちょうど良く取れているものだ」という持論があるためだ。例えば、一重で細い目にはスッとした小さめな鼻を備えてたりするし、ぽてっとした唇には大き目の瞳が組み合わさっていたりする。日本人に大きな鼻がくっついている事は少ないし、逆に、かぎ鼻の白人に切れ長の一重が備わっていることはまずない。
基本的に丸顔、丸目、丸鼻と、丸ばかりで構成されている私の顔は、多分それなりにバランスが取れている筈なのだ。だから、例えばひとつの丸を「スッとなるように」直したりすると、今度はその影響によって他の箇所のバランスも直さなければいけなくなってしまう。そして、あげくの果てには顔全箇所を変えねばいけなくなる。その終わりのない堂々巡りを考えると、いくらお金があっても足りないし、しまいには私を私と認識してくれる人がいなくなってしまいそうだ。その結論に行き当たるまでもなく、私は小学校以降は自分の姿形にあまり執着がなかったので、結局、整形願望が育ったことはなかった。
化粧品業界に入ってから、綺麗な人を沢山見たけれど、やっぱり未だに思うのは、美醜そのものよりも雰囲気を上手く演出するほうが数倍大事であるということだ。人の第一印象は出会った最初の3秒で決まるらしいし、整形でいくら「そこそこ綺麗に」なっても、そこに「あなた自身の」個性がなければ、多分あなたがあなたらしく綺麗でいられる事は難しい。
その2へ続く
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