サプリの功罪 (私も見直し中)


今なんのサプリ取ってますか?

みたいな質問をよくされます。

これって面白くて、アメリカやフランスの患者さんには聞かれません。日本人とアジア圏の患者さんに聞かれます。

日本やアジアの中だと、私達はだいたい皆同じようなカラダの構造や機能で「アナタに効くものは私にも良いよね」って感覚があるためじゃないかって思います。

カルチャーや人種がかなり多様化しているアメリカでは、例えばアボカドが健康に良いよと紹介されれても、売切れにはなりません。紹介する人の影響力にもよりますが「あの人のからだは自分とは違う」と思う人も、多様化社会では多いからです。

これがもう少し具体的に、例えば「アボガドは更年期のほてりに効く」とか聞くと、更年期女性、火照りでお困りの方は試してみようと思うかも。(アボカドは例なので実際火照りにきくかの議論ではありません。)   でも、そういうサブグループは人数は少ないので(更年期の火照りでは悩んでいる人は全人口の何%くらいか?)、まあアボガドは店頭からはなくならない。

人種で「この人と私は違う」っていう気持ちがあるのが見えるのが、こんな会話。

私はアメリカ人に「肌が(年齢の割には)キレイ」と言われることもたまにありますが (きっと日本人女子の殆どが言われると思う!)、そう言った後ですぐ「まあ日本人だもんね~」と謎なフレーズで締められ、会話終了(チーン)....。そこから「何をすればお肌に良いんだろね~?」みたいなキャッキャとした女子っぽい会話にはなりません。なんでかはわかりません。日本人は別格扱いなの?人種なの?.... いずれにせよ、壁を感じる瞬間です。

 この「あなたと私は別」意識が低いほど、お隣さんの使っているのが効いたから私も試してみよう!となります。 サプリは、基本この「あなたに効くものは私にも」っていう心理をマーケティングの前提に置いている、罪深きカテゴリー。 

更に、サプリ製造メーカーから出資を受けていない中立のサプリ会社 Examine.com は、サプリは、事前試験で「科学的根拠がある」として「絶対効くよ」的なメッセージで発売されることが、混乱をまねくと指摘しています。確かに、あれもこれも良い!って聞くとわからなくなっちゃって多種類のサプリのまないと!ってなってくると思う。

でも実際はどうなの?試験方法に偏りがない?ちゃんと広範囲な試験で実証されてる?(例えばいろんな国で試験されている、いろんな人種で試験されている、 double, triple blinds tests している、など)? など。 アメリカだとサプリはFDA政府規制の管轄外なので、中長期的副作用や安全性をテストしてないことが殆ど。薬や食べ物の組合わせリスクや効果についても、誰かがアドバイスしてくれるわけでもない。「このサプリをとる前に医師に聞いて下さい」って書いてあっても、実際サプリとるのにいちいち医師に聞く人ってあまりいない。医師もサプリについては聞いてこないし、知識もないことがほとんど。 

要は「野放し」状態なわけです。

米国だと成人の6割以上が1種類以上のサプリを摂っていて、1番人気はマルチビタミン。私は個人的にはマルチビタミンってとったことがなく、ただの気休め、たまに害になるかもと思ってる。リサーチ的に言うと、マルチビタミンで健康寿命が促進されたというデータはあまりない

反対に、たまに害になるかもっていうのは、Iron(鉄)が入ってるタイプだと、健康に悪影響を及ぼす可能性さえあるから。鉄って欠乏はダメだけど、とりすぎが良くないのは皆さんの知るところ、著書「ライフスパン老いなき世界」で日本でも有名な Harvardの Sinclair 博士はこれにより「マルチビタミンは取らない」と公言しています。

ほかのサプリも、例えばアンチエイジングで有名なNMN (nicotinamide mononucleosis) とか、クルクミン(抗酸化)とか、言い出したらきりがないけど多種類のサプリが、1. とりすぎ、2. あなたの体に合わないという理由で、何もしてくれないばかりか有害な影響さえ与えるリスクを抱えている。(まあ殆ど「何もしない」程度で終わると思うけれど。) 

例えば、ターメリック(クルクミン)は抗酸化で有名だけど、胆汁を増やすので消化器官に影響し(IBSなどを消化器官に問題がある人は悪化するかも)、「ミトコンドリア(細胞)の健康を助ける」アンチエイジングサプリNMNは、がん細胞の栄養になる事も。グリタチオン(肝臓をデトックスする)もサプリで取ろうとしても胃や内臓で変換されてすぐ使われるのが難しい成分 ( = low bio-availability)なので、サプリで口から取ってもあまり意味ない場合がほとんど。コラーゲンも然り。

なので、自分の「今の」健康状態、ニーズを良くみて、出来れば血液検査の結果をみて、長期間服用されている(比較的安全な)、そして大量にとっても身体から排出される(例えばヴィタミンCなど)サプリからスタートすると効率は良いかも。

私達の体のなかでは常に新しい細胞が作られてるから、体って、常に一定で同じ身体って事は、ない。筋肉、骨、神経、細胞は常に入れ替えられている。なので今のサプリが6ヶ月後も必要かどうかはわからない自分の体の変化を自分自身で感じられる能力を身につけてサプリを活用するのが、賢いと思いますがいかがでしょう。

効率的な取り方については、別途会社のサイトのほうで来週、お伝えしたいと思います。







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