内股注意報 Legs reveal who you are
10年ぶりに日本に帰国して、もう2ヵ月経った。10年のアブセンス後は半分異国(?)っぽく感じるニッポンで暮らし始めて、一番最初に気がついたのは、ニッポン女性の内股傾向である。 街で見る若い女性(推定年齢10代後半~20代前半くらいの女性)のうち、2人に1人くらいが、明らかに内股で歩くのがとっても目につく。アジアンの足は、がに股或いはX脚の傾向があるから、たまたまそう見えるだけ..って説もあるが、私が目撃した内股たちは、その範囲を明らかに超えていて、彼女らの内股平均角度は20度~30度を越えているのだ。 これはすごい角度で、もはや内股に見えるとかなんとかいうレベルではなく、明らかに100%内股、内股の中の内股、なのである。
今も昔も、「高いヒールに猫背で、危なっかしそうによちよち歩く」のは日本人女性の特徴なので驚かない(NYに住んでいて、街で見る日本人を観光客か現地人か見分けるには、この「よちよち歩き」を見れば良いと言われている)。けれど、10年前も皆女性はこんなに内股だったっけ? この10年ほどは、日本に長く住んだことがないためよく判らない。で、日本在住の友達に聞いてみた。「内股?気がついたことないなぁ・・・」 あれ?じゃあ私の気のせいだろうか? 今度は外国在住5年以上の友達数人に聞いてみると・・「内股?そうね、日本じゃ、カワイく見られたい若い女の子は大体内股だよね。」と一致の意見。 良かった、そう思っていたのは私だけではなかったらしい。だいたい、私のNYの友人は辛口の意見を言う人が多いので、内股談義はその後このように続いた:「内股がオトコ受けが良いと思ってやっているらしいけど、あれはみっともない」「あんな歩き方をしているとどんなファッションでもUglyになる」「海外では完全に馬鹿にされる歩きかた」・・・。 まとめてみると、どうやら内股は「私はアナタの庇護を必要としてるのよ」、という女子のぶりっこ(死語)的アプローチ、であるらしいのだが、私には、あれを「かわいく見られたい」ためにやっているというのがどうしても理解できない。なんで、ファッションに敏感で、スキンケア、メイクも抜かりなくキレイな日本女子が、わざわざUglyに見える内股をしなければいけない訳? どこをどう考えてもわからない!! しかし、理屈でトレンドが左右されないのがこの国のあなどれないユニークさ・・・。
でもそういう日本の「美の基準」は今だにグローバルだ。ハリウッドスターや、スーパーモデル(これも死語か)が大好きで、海外セレブ美容記事のインパクトがコスメの売上を左右し、美容モデルはやっぱり外国人かハーフ、あるいは西洋っぽい顔をした日本人が王道だ。一重の和風顔が「美人」としての市民権を得たことは一度だってないし、この先もないだろう。 そこまで欧米中心な美の基準をうたっていながらも、内股はよしっていうか、カワイイって矛盾していないのだろうか? まあ、内股がホントに市民権を得ているのか否かは、若い女性達当人にインタビューをしていないので未だ謎なのであるが(街中で突然「あなたは内股ですよね?意識してそんなに内股なのですか?内股をしていることのベネフィットは?」とかって聞けないし、誰か社会学の一環として手っ取り早く内股調査をした人っていないのかな?)、結論として、内股は、背が低くてきゃしゃな体のつくりで、Legsが比較的まっすぐでない日本人女性を、Uglyに見せるのは間違いない。それだけは肝に銘じたほうが、絶対良い。 この先、ずっと着物姿で通す(これなら足見えないもんね)気でないなら、内股はとりあえずヤメマショウ。 ニッポン人の、麺をすする音と内股は、日本人だけに判る美学であるかもしれないが、グローバルな基準で理解されることは金輪際ないのだ。
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