カラダ美人 Beauty in Balance 



日本人の中で、ハリウッドで活躍中の女優さん達って皆美人!とマジで思っている人って案外少ないと思う。例えば何人の日本人女性が、グウィネス・パルトロウやキルスティン・ダンストが心底キレイだなあって本気で思ってるかっていうと、実は少数派の筈・・・。アジア系で一番有名なハリウッド女優・ルーシィ・リウなど、日本人に言わせると「彼女って肌もソバカスだらけで、日本に居たら美人でもないし注目もされないよね」って程度に見られるらしいし。まあ、ジュリア・ロバーツがトップに立てちゃう(ちなみに私は彼女のフレンドリー・スマイルがアメリカ人にウケルのは美人じゃないからだと思う。ブッシュが隣のおじさん的キャラで票を稼いだのと一緒かと)ハリウッド・ワールドでは、美醜そのものよりも、何よりもまず強烈なLUCK、個性、PRそしてコネクションなどがモノをいう世界なのはとってもうなずける話ではある。

しかし、顔の美醜で言えば個性が勝負で、あまり住み分けのない(っていうか基準がバラバラな)ハリウッド(まあ資本主義の原理で言うと出演料を一番稼ぐ=女優のメジャー道と言っていいのでは)にも、身体のバランスには一定の基準がある。その基準は、無駄な脂肪がついていない美しく鍛え上げられた+でも女性らしくセクシーなカラダ。ムネとヒップは「ちゃんと主張」しなければならない。いずれも下を向いていてはならない。足はしなやかで、でもちゃんと締まってジミー・チュー(かブラニク)のハイヒールを超カッコ良く履きこなせないといけない(でもサイズは11でも良いのがアメリカ)。肌は小麦色(ジェニファー・アニストン参照)か、なめらかな白肌(ニコール・キッドマン参照)、おまけに顔が小さくて体とのバランスが整っていることも必須。作るのも大変でメンテナンスも大変な事このうえないこれらの要素は、気の毒なまでのエクササイズ+外科処置+食事療法の賜物だ。

現在40台半ばのマドンナの身体を、WWDの最新号で見た。細めの身体に、程よく鍛えられた腕も脚もモチロン美しいのだが、なんといっても圧巻なのは彼女の背中。絶品!と叫びたいくらいキレイ。無駄な贅肉を削ぎ落として、それぞれの筋肉(個別名称不明)がしっかりありながら、ムキムキではなく、しなやかでなめらかで芯が通ってて、肌は抜けるほど白い。こんな背中だったら、背中のぱっくり開いたドレスで見せびらかしたくなるよね!って心底思える、真性ため息ボディ、なのでした。 マドンナは自己鍛錬の塊みたいな人だってよく言うけれど、並大抵の努力では、あの背中にはなれない・・・マドンナの、40代にして(2児の母にして)20代の女子の大半より甘美なカラダは、ストイックで真摯な姿勢の表れ。芸人として自分の商品価値をよーーく解っている上での戦略的選択で成り立っているのだから、それを見物する「オーディエンス」の我々にしてみれば頼もしいばかり。

当然だけれど、芸人じゃないフツーの人々は、身体が最終商品、ではない。まあ、身体はヒトのパッケージの一部であるが、逆に言うとパッケージの一部でしかない。標準より太めだったり背が小さかったりムネがペッタンコだったりしても、それは、そこを劣っているパッケージと位置付けるか、或いは、他人と差別化し印象付けるための武器にもなると位置付けるか・・・全ては、そのパッケージをどう扱うか、という戦略にかかってくるのではないだろうか。(注;話が長くなるので、ここではあえてDEVIANTな範囲は省いてます) 例えば、ムネがないからという理由で振られる恋なら、いずれにせよ長持ちはしなかったろうし、少しお腹が出ていても、それが原因で付き合わないって言われたら、まず絶対にそれだけが原因だとは考えないほうがいい。個人的には、脚が細い(あるいは締まってる)と得な事が多いのは認める(スカートをこれ見よがしに楽しめるから)。が、それはパッケージの色が鮮やかなのはより目を引くのと一緒で、あまり長続きする美点ってほどでもない、とマトモな人なら思うから、決定打にはならないのだ。

まあ、あくまで、街角でのナンパで彼氏をゲットしたいの!だ・か・ら、パッケージは何よりも大事なの!ってケースは別かも・・。

じゃあ、上記のように「パッケージ命!」の人はどうすればいいのよ?って話になるが、もしなりたいパッケージ(身体)と自分の現状(カラダ)が著しく違ってるなら(そしてパッケージを変えることで自分の人生が変わるって信じているある意味オメデタイ人は)理想をアジャストするかカラダをアジャストするかって話になって、結局メディアでよく見る理想は頭の中でフィックスしちゃっているので、自分側を改造=アジャストするって話になる事が多い。けど・・マドンナの身体じゃないけど、メディアが垂れ流してる身体ってのは、大抵、カラダを商品そのものとして売っている人々のものなので、それがどんなにフレンドリー・ルックであっても、それに近づこうとすればフルタイムで集中しないと+外科手術なしだと、実現は非常に、難しい。フツーのオフィス勤めのライフスタイルでは、とてもそれらのスタンダードには追いつかない。理想にはなかなか近づけないから、もっと頑張る。で、そういうモチベーションがないと、商品も売れないしメディアもおしまいって現実もあるから、メディアはもっと「フルタイム装備の身体」を煽る。

叶姉妹の今の身体は、10年前に発掘された時と違っていたのを憶えている人は少ない。

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